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ここはネット上の墓地。ひっそりと参拝者を待つ動く屍。それがスー。
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えーと。開始宣言した直後にアレなんだけど、ものっそい眠い。頭痛薬飲んだからかな?
とりあえず第一回は更新するとして、さっそくだが仮眠を取らせて頂きたい。

無責任なのはいつもの事。それでもマジで眠いんだってばよ。

何も考えずに思いつきでこんな更新考えたもんだから、記事の中の時期が前後したりするとは思うけど、まぁあまり気にしないで下さい。


というわけで、第一発目。




僕は幼い頃からかなり根暗だったらしく、周りの子供たちの集いに交わるのがとにかく苦手だった。
自分で振り返って見てもかなり特殊というか、恐ろしい楽しみというのがあって、それが生き物観察だった。
生き物観察それ自体は恐ろしくもなんともないとは思うのだが、その観察行為、ファーブル顔負けの観察法で、なんというか、一点自分の観察ポジを決めたら朝から晩まで何があろうと決して動かない。しゃがみこみ、手を丸め、幼少期の子供らしくもなく虚空を見るような眼差しで、自分より小さき者たちをとことんまで凝視していた。
虫たちにとっては、僕の存在自体がとてつもない恐怖の象徴だったのではないか。明らかに自分たちを見ているのに、何をするでもない。ただそこに在る。そもそも呼吸すらしてないのではないか?等と思ったかもしれない。

とにかく、家族はそんな僕の様子を見てかなり心配したらしい。それはそうだ。友達と遊びもしない。家族相手にすら愛想程度にも笑顔を見せない。
何を考えているのかまるで分らない。そんな存在だったようだ。
これで幼少期の僕の説明は事足りる。というか、説明不可。


そんな僕も、保育園へ入る事になってしまったのだから大問題だ。
皆と一緒に遊び、昼は寝る。イヤでイヤで仕方なかった。
保育園に入る前から、集団で遊びたい時には遊んでいた。年に一度や二度は同年代の誰かと遊びたくなる事は、流石の僕にもあったのだ。
しかし、その団体行動を「強制」されるという事自体が、僕にとってはストレス以外のなんでもなかったのは性格から考えて当然だろう。

保母さんの目を盗んでは教室の隅っこでコマ回しの練習に一人黙々と打ち込み、他人との関わりを断った。
隅っこという限りなく狭いスペースでコマ回しの練習なんぞしていたせいか、いつの間にかその保育園で僕以上のコマ達人はいなくなっていた。そもそもほとんどの人間がコマごときにハマっている感じはなかったのだが。
そんなことをしていたせいで、いつしか大勢の視線が集まる事に対する免疫が限りなく少なくなっていた。いや、もしかしたら無かったのかもしれない。



ある日、コマ回しの発表会みたいなのが開催された。
保護者なんぞも集まって、逃げ場のない、そもそもなんだその発表会はと突っ込みたくなる最悪の儀式だ。

なぜ俺が大衆の面前で技を披露せねばならないのだ?いや、そんなことはどうでもいい。問題は如何にして逃げ切るかだ。

そんな事を考えていた気がする。

逃げ場がないのなら、つくってしまえば良い。そうだ、トイレ行こう。



保育園児の考える作戦としては上出来なモノだと思う。とにかく僕は自分の番が来る直前にトイレへと逃げた。
個室の鍵を閉め時が経つのを待つ。



しばらくしてから外界へと耳を傾けてみると、クラスの人間たちの声がたくさん聞こえてきた。
どうやら、僕の順番を飛ばしてコマ回し大会を続行しているようだ。



よし、完璧に計画通りだ。もう僕の番が回ってくることもないだろう。

あまり長居をすると怪しまれるのは分りきってる事なので、自分の番が飛んでいるのなら早々に戻った方が良い。そう考え、僕は教室に戻った。
すると、流石は保育園児と言うかなんと言うか、僕の存在など完全に忘れた様子で、ハイテンションにコマ回し大会は続けられていた。無論、そのハイテンションについて行く保母さんや保護者たちも、僕の順番などを気に留めた様子はない。
全てはこれで終わる予定だった。



あいつらさえ居なければ!!

と言っても今や顔も名前も覚えていないクラスメイトなのだが。
数名、一応はコマにハマってる子供グループみたいなのがいたのだ。僕はグループに入ってはいなかったが、そいつらにとって僕のコマ芸術は憧れだったらしく、ちょくちょくコツやらお薦めのコマの特徴やらを質問されていた。
そいつらが、コマ回し大会も終わるっつー頃に空気読めてない発言をしやがったのだ。



「スーくんのコマ回しがいちばんスゴイと思います!!」
















ファーーーーーーーーー〇ック!!!!







正直これだけ焦ったのは現在まで振り返ってみてもあまりない。
集団行動の強制により対人恐怖症くらいにまで追い詰められていた当時の僕には、こんな些細な事でも十分死ねる事態だったのだ。



どどどどどーしよう。なんか皆コッチ見てるぞうわーうわーとか、とにかく究極まで挙動不振になってしまった僕に、さらに追い討ちがかかる。





保母さん「あら。そういえばスーくんお披露目してなかったわね。最後に、皆にコマ遊びを見せてあげましょうよ?」



ピカッ!ゴロゴロゴロゴロ・・・・・・・

なんていう効果が付けられたかもしれない。そんな瞬間だった。




保母さんは軽いノリのようだが、クラスメイト、そしてその保護者たちの視線が痛かった。
僕の被害妄想だったのかもしれないが、周囲の視線が期待に満ち溢れている気がした。
コマ好きということである程度有名な少年グループが、「自分たちより上手い」と、頼んでもいないのにいちいち僕を誉め、ハードルを上げくさったのだ。



人前に立つのはイヤだが、恥をかくのはもっとイヤだ!!やるしか・・・やるしかない!!っていうかあいつ等マジで死ね。せっかくうまく逃げ切れたと思ってたのにせんせーもせんせーで何でそんな話しに乗るんだちくしょーこんちくしょーコッチ見んな人類全てが憎いぜコノヤロー・・・ブツブツ

胸中で全てを呪いながら、僕は皆の前に出た。
そして、僕のコマ芸全てを完璧に披露してやった。



投げた状態から無音で着地させる地味ながらもかなり高度な技術から始まり、独自に改造した特殊コマを用いた二重コマ回し。綱渡り。
保育園児のレベルでは考えられないプロ級の奥義。

誰もが僕のコマに見とれていた。
そしてその視線は途中から、ほとんど僕自身に注がれた。
手品のタネを探りたがる日本人の性故か、コマの不思議よりも僕の不思議に迫りたがったのかも知れない。



唇が震え、手が震える。

足に感覚が無い。

視界がグラグラする。

腹が・・・





腹が痛い。



そう。これはまぎれもなく便意だ。

とびっきりの便意なのだ。

しかも超ユルユルの大

その感覚に気付いた時、僕は少し冷静になった。








もう間に合わない。




と、悟ってしまっていた。




嗚呼。



嗚呼。





ダムが・・・






ダムが決壊する・・・!!






その後の事は、正直覚えていない。
ただ、ダムが決壊した事だけは間違いないだろう。こうして、トラウマになっているのだから。



らん らんらららんらんらーん
らん らんらららーん
ららん らんらららららーん らららららんらんらーん・・・
(ナウシカ)








~第一部 完~ 




途中から文章入力が極端にめんどくさくなってきて、フォントいぢりに頼ってしまった。
まぁまぁアップするのに度胸が要るデキになったと思う。後悔したら消します。

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